ケイのおわり

人生の折り返し。終焉に向かうケイの何も無い日々。

しまい込んだままのお守り。


貰い物と自分で買った物。

最初はずっと持ち歩いていた。
でも、夫に渡したお守りは、いつもテーブルに置きっぱなしだった。
いつしか、持ち歩くことが苦しくなって、小物入れにしまい込んだ。

今日、それを急に思い出して、やっぱりまだ、いや死ぬまでずっと、このわだかまりは消えることは無いんだと、そう認識した。

色々あったけど、頑張ろうと思ってた。
でも、私の気持ちを知っても理解しても、変わらなかった。
時々泣く私を優しく慰めるだけ。
「甲斐性のない自分が悪いんだ」とよく言っていたけど、そうじゃないでしょう?

向き合うのが怖かったんでしょう?

私を愛してるって言いながら、私が子供を欲しがってることを、忘れようとしていたでしょう?

何度も何度も苦しいって言ったのに。

もう叶わないのは分かってる、貴方に望めない、諦めてる、でも、諦めるしかないこの気持ち、どうして、それを知らない顔できるのか…。

話し合いたかったのに、「苦しいね、辛くさせてごめんね」って、謝って欲しいんじゃない。
ちゃんと考えて、ちゃんと言葉にして欲しかった。

今更もう、期待してないんだ。

全てを愛することは、もう出来ないよ。
知ってるよね?

最後にセックスしたのいつだったかな?

くだらないプライド。
優しいと思ったけど、優柔不断なだけだった。
思慮深いと思ったけど、言葉にするのを拒む人だった。
口下手だからって逃げ回って。

母親のせいで、喧嘩から逃げて流す癖がついだんだね。
それを私にもしてさ。

これから先の死ぬまでの間に、どれだけ私を楽にしてくれるのかな?

忘れてたのに、ある日急に思い出すんだよ。
短い大事な時期を不意にして無駄にして、二度と戻れなくなってしまったこと。
一生忘れないよ。忘れられないよ。

これからどうする?
メンタルクリニックに通いだしたのは、貴方と、貴方の母親の介護で、心が死んでしまったからだよ。
他人事の顔上手いね。